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ワイアのスタンダード(犬種標準)7 沿革と歴史

今日はワイアの沿革と歴史についてです。

実は昨日、投稿直前の原稿を保存せずに消してしまい
膝から崩れ落ちそうになりました。
お読みいただくとわかりますが、例によって、いえ、いつにも増して超大作。(爆)
あちこち調べて書いたのですごくショックでした。

前置きはともかく、頭でっかち系知識になりますが
興味のある方だけどうぞ~。




「全犬種標準書」(2011年10月現在 第10版)
 ※転載の許可をもらっています。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 以下 転載 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

◆ 原 産 地 イギリス
◆ 用 途 テリア
◆ FCI分類 グループ3  テリア
◆ 沿革
非常に古い犬種と思われるが、その起源や沿革は不明である。
貴族のスポーツとして愛好された狐狩りに使用され、
フォックス・テリアと呼ばれるようになったのは18世紀頃らしい
古い時代の毛色は狐色だったと言われ、フォックス・ハウンドが狐を追い、
フォックス・テリアを岩場や巣穴で使用したが、
毛色が狐と似ていることからしばしばフォックス・テリアを射殺することがあった。
また、ハウンドの役目もこなせるようなテリアが求められ、
ハウンドが配されて三毛色のスムースが誕生し、
さらに他のテリアと混血されワイアーとなった。
1862年バーミンガムのショーに出陳されたが、
この時の犬はスムース・タイプのフォックステリアだったと言われている。
1876年クラブが設立された後改良がいちじるしく進み、
20世紀に入り世界的な人気犬種になった。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 以上 転載 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

用途のところにテリアと書いてありますが、テリアってどう定義されているんでしょうか?

JKCのホームページには「穴の中に住むキツネなど小型獣用の猟犬 」と書かれています。
でっかいエアデールもケリーブルーもアナグマやカワウソなんかを退治するお仕事してたんですね。
(スタッフィーなんかは、テリアの血が入ってるってことで、ちょっと違う気もしますが~)

ここでちょっと横道です。
そもそも、ドッグショーってどんな成り立ちなんでしょう?

JKCのホームページに説明がありました。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 以下 引用 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

愛する自分の犬を人に自慢したくなるのは世の常ですが、
イギリス人たちが愛犬とともに酒場で一杯やりながら犬自慢に時を過ごしたことに
ドッグショーの起源があると考えられています。
一般に、初めて組織だったショーが行われたものとしては、
1859年にイギリスのニューカッスルで開かれたものが始まりといわれています。
しかしながら、ルールが不徹底だったためトラブルが続出し、
ショーの管理、法的規制を含めたルール作りを目的とした機関として
ケネルクラブ(The Kennel Club)が1873年に創立されました。
   (中略)
1949年(昭和24年)には農林省の認可を得て、
社団法人ジャパンケネルクラブの前身となる「社団法人全日本警備犬協会」が設立されました。
1950年(昭和25年)11月に上野公園池之端で行われた創立記念の第1回本部展覧会は、
ジャーマン・シェパード・ドッグや日本スピッツ等、
総勢240頭の犬が出陳されるという盛大なドッグショーになりました。

~ ~ ~ ~ ~ 以上 下記URLより引用 ~ ~ ~ ~ ~ ~
http://www.jkc.or.jp/modules/events/index.php?content_id=4


1859年ですよ?!
日本は安政6年の幕末期です。
徳川家茂(14代将軍)、井伊直弼、吉田松陰なんて名前がでてくる頃です。

1873年はというと…
日本は明治6年です。
ウイーンの万国博覧会に日本が初めて正式参加し、国内では徴兵令が布告されました。
1871年に出た「旧習を改めて散髪を許す」布令(もう丁髷はやめよう!ってことです。)
を守る人がいなかったので、明治天皇が模範を示すために頭髪を切った年だそうです!

安政の大獄とかいってるときにドッグショー!
ちょんまげやめよう!運動の時に「全純粋犬種の犬籍管理をしなければ!」とか
言ってた訳ですね。イギリスさすが!!


更に横道にそれると、JKCは農林水産省の認可団体ですが、
話題の「動物の愛護及び管理に関する法律」は環境省管轄の法律です。
なんか裏にいろいろ確執がありそうですね~



で、本題のワイアの沿革ですが、日本語の資料がほとんどないので
絶版になってしまってますが、数回ご紹介している本から再度引用いたします。

「ワイアヘアード・フォックス・テリア」
著者名/秋沢道子 出版社/誠文堂新光社

1873年KC創立以前の伝承
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 以下 引用 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

フォックス・テリアは、犬の太古時代とも言われた大昔、
今日では不幸にして消えてしまったオールド・イングリッシュ・ラフ・テリアから
由来したものであり、このラフ・テリアをさかのぼると、
初期のロングへアード・ダックスフントのようなタイプの犬と、
初期のビーグルとようなタイプの犬との結合であったらしく、
さらにこれをさかのぼると、その昔イギリスへの侵入者(ヴァイキング)によって
入植されたブラッド・ハウンド・タイプの犬であったという事である。

ワイアの発生について最も特徴的なことは、
発祥の地を持たない犬ーーふるさとのない犬ーーであることである。
ほとんどの犬種が発祥の地を持っているにもかかわらず、彼等にはふるさとがない。
彼等はイギリス(特にイングランド)のあちこちの場所で、
多くの異つバラエティー(変種)の混合によって作られている。
この犬を作り、ワイアへアード・フォックス・テリアと名付けたものは猟人で、
この猟人達は、狐を追って土にもぐるために、
最も良い性能を発揮する実利性に富んだ働き手にするためにのみこの種の犬を作り上げた。
従って、百二、三〇年前のフォックス・テリアの唯一の長所は、
地下にもぐった狐に面した場合の勇気と、狐を退却させることの決意であり、
毛色などについては、猟人が白っぽい犬を好んだということを除いてほとんど重要ではなかった。
白っぽい犬を好んだ理由は、その犬が覆いをとったとき、
狐と間違えられないようにとの、はなはだ単純なことである。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 以上 引用 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

ケアンやレイクランドと言った、特定地域の土着犬じゃないんですね~
働いてくれれば、見かけはどうでも良かった、と。


1873年KC創立以後
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 以下 引用 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

ワイア・テリアと名のつく犬を作ったもとの起こりは、
イギリスのノース・ダーハムやヨークシャーなどで繁殖された、
またデヴォンシャーにジョン・ラッセルという神父さんが多数の犬を
一八一二年から一八七〇年までに繁殖し、
片やノーテンガムにも一八五〇年代にたくさんのワイアがいたといわれている。
だが、初めて記録されたワイアは、ヨークシャーの卿士ケンダルズ氏が作出した
オールド・ティップという犬で、この犬は白い犬で片耳にマークがついていたといわれる。
この犬の息子がヴェンチャーといってキャーリック氏が持っており、
このヴェンチャーが当時一番良いワイアだったと記録されている。
しかし、一八六六年生まれのオールド・ティップが
ワイアと名の付く犬の祖先として記録されている。
(中略)

初代のチャンピオン犬は誰かということについては定かででは無いが、
スタンレー・デンジャーフィールド氏の書によると、一八八〇年生まれの
Chオークレイグ・トッパーではないかということが記されている。
 さて、一八七三年にイギリスKCが創立され、その三年後の七六年に
基のフォックス・テリア・クラブ・オブ・イングランドが創立、こ
のクラブが基礎のスタンダードを作成した。
 更にその後、一九一二年にワイア単犬種団体である、
ワイア・フォックス・テリア・アソシエーションが誕生し、
今日までワイア総合体の親クラブとして存続している。
 以後、当犬種をワイアらしく固定するに役立った名犬が三頭おり、
ワイアの第二次革命犬といわれ、非常なセンセーションを巻き起こした。
その名犬達は、Chタラベラ・サイモン。
Chボウブランメル・オブ・ワイルドウクス。
ガラントフォックス・オブ・ワイルドウクス。
以上の三頭で、三大基礎犬といわれている。

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 以上 引用 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

初代チャンピオン オークレイグ・トッパー 1880年生まれ
初代チャンピオン オークレイグ・トッパー 1880年生まれ

タラベラ・サイモン 1924年
タラベラ・サイモン 1924年

※上記書籍を複写しました。写真の転載許可をもとめましたが出版社から返信がありませんでしたので、
 本の複写を載せることにしました。著作権の知識をお持ちの方がいましたらご教授くださいませ。


文中に出てくるジョン・ラッセル牧師(神父?)はウィキペディアによると
John "Jack" Russell(hunter and dog breeder)とあり、聖職者なのに
ハンターだったというのがよくわかりませんが、
パーソン・ラッセル・テリア(旧犬種名:パーソン・ジャック・ラッセル・テリア)や
ジャック・ラッセル・テリアの生みの親でもあります。





1862年にスムースタイプのフォックステリアがショーデビュー。
1866年生まれの犬がワイアタイプの先祖として記録がある。
1880年生まれの「オークレイグ・トッパー」が初代ワイアチャンピオン。


1873年 KC創立。
1876年 フォックス・テリア・クラブ・オブ・イングランド創立。
1912年 ワイア・フォックス・テリア・アソシエーション創立。

1876年にフォックス・テリア・クラブによって
“かなり正確なスタンダード”が作成され、1913年にアソシエーションにより
“わずかに拡張することを認めている”そうですが、
以後大きく変わること無く、現在まで使われているのだとか。
歴史のあるものなんですね~

最初のころワイアはスムースと同じ犬種として分類されていましたが、
1912年には別犬種として認識されていたんですね。

アメリカでは1985年(アメリカ・フォックス・テリア・クラブ創立百周年)
AKCがフォックス・テリア(ワイア)とフォックス・テリア(スムース)として分類したようです。
アメリカでは比較的近年になってから分類分けしたんですね。


ちなみに、1876年といえば日本では「廃刀令」の出た年。
翌1877年は西南戦争(西郷隆盛を中心とする鹿児島士族の反乱)です。
薩長だ!とさわいでいる頃に
フォックス・テリア・クラブ・オブ・イングランド創立ですって!
アメリカではアレクサンダー・グラハム・ベルが電話機を発明し、
イギリスはヴィクトリア女王統治下で領土を広げブイブイいわせてた頃です。

なんだかなあ~




日本でのワイア創世記の様子も同じ本に記載がありますので
抜粋して載せてみますね。


大正末期に、船乗りから手に入れた「ジョージバンクロフト」という名の
カナダ・ケネルクラブの血統書を持つ犬の記録があるようです。
ジョージバンクロフトを見た中村民之助という人が「この犬は売れそうだ」と
昭和初期にカナダから三頭のワイアを輸入したのが最初だそうです。

ワイアは洋犬の中でも比較的初期に日本に入って来た犬種みたいですね。

それから、昭和40年頃?ワイアのブームがあったと聞いています。
当時のワイアは非常にキツい性格だったようで、
ブームが長く続くことはありませんでした。
縄抜けして近所の飼い猫をかたっぱしから狩ってしまった、
なんてエピソードもあったようです。

悪名高い「東京畜犬事件」もこの頃ですね。
(東京畜犬事件の影響で、日本は一時期イギリスから犬を売ってもらえなく
 なったそうです。興味のある方はしらべてみてくださいね。
 日本人は犬の肉を食べているというなんて話が世界に流れたみたいです。)
当時ワイアを飼ってらした方は、東京畜犬から買った方も多いのでは?
初期は盲導犬育成なんかにも力を入れていたようなんですけれどねぇ~
金に目がくらんでしまったんでしょうね。
日本にドッグフードが根付いたのもこの団体の影響といわれています。

ワイアをメインに話を戻すと、
1933年(昭和8年) 「東京ワイアへアード・フォックス・テリア倶楽部」創立。
1936年(昭和11年) 「日本ワイアへアード・フォックス・テリア倶楽部」に改名。
1948年(昭和23年)  全犬種団体「全日本警備犬協会」の設立
1949年(昭和24年) 「社団法人ジャパンケネルクラブ」と改名

「日本(東京)ワイアへアード・フォックス・テリア倶楽部」は、
JKCより古く、日本で最初の単犬種団体(らしい)ですが、
現在は事実上活動していません。
活動初期は、イギリスからすばらしいワイアを複数輸入し、
今見てもキレイな子達です。
活動が無いのは非常に残念ですね。





Posted by Y.



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